名称の熱論も静まりつつある(諦められつつある?)「高輪ゲートウェイ駅」ですが、同じように密かに注目されているのが近くを潜るトンネル「高輪橋架道橋」の行方です。
(2022年6月追記)Youtubeで現在の高輪橋架道橋、高輪ゲートウェイ駅付近様子を撮影しました。
高輪ゲートウェイ駅が開業しました(2020年3月追記)

高輪ゲートウェイ駅近くの地下トンネル「高輪橋架道橋」とは
トンネルなのに「橋」とはおかしな名称ですが、正式には長大な架道橋を潜る道ということになります。
JRによって分断された高輪と芝浦。通り抜ける道は2つだけ。
東京駅から品川辺りまではJR山手線、東海道線、新幹線などが太い束のようになって街に横たわっています。特にこの品川と田町の間の付近においてはJRの車庫などがあったことから、その線路の束は特に太くなっていて、街を南北に二分しています。
ところが、駅間の長い田町ー品川間においては南北を行き来する道路が少なく、北側の高輪と南の港南や芝浦を結ぶ道路は、田町駅近くにある陸橋「札の辻橋」と、泉岳寺駅の近くで地下を潜る「高輪橋架道橋」の2本しかないのです。
今回は札の辻橋から芝浦側を歩き、青い矢印に沿ってトンネルを泉岳寺側へと抜けました。
(もう一つのルートである札の辻橋の様子は三田駅ってどんな街?の後半をご参照ください)
狭い、天井が低い、と有名な泉岳寺のトンネルは、怖いという感覚は無く、浪漫を感じずにはいられない異次元の世界でした!
泉岳寺のトンネル(高輪橋架道橋)の芝浦側の様子
札の辻橋を南下し、運河を越えたあたりで右折して品川方面へと進みます。
まだ暑い夏の午後でした。右側のビルにはOKIと書かれていたので沖電気でしょうか。
運河は両岸が遊歩道になっています。遠くに見えるタワマン群は「芝浦アイランド」です。結構な人口がいると思われますが、目の前を走る東京モノレールには駅がなく通過するのみです。
そのまま西へ進みます。
関電工の本社もありました。赤いゲートが会社のイメージと変わっていて斬新です。
この辺りを境に、高輪ゲートウェイ駅ができた際には田町駅よりも新駅の方が近くなりそうです。
関電工の本社をすぎると、品川方向に貨物線の高架が見えてきました。
急に殺風景と言いますか、何か郊外の千葉や埼玉の工業地帯に来たような風景になりました。
貨物船は東京入国管理局の方を通り、羽田空港の方向へと向かいます。現状では羽田空港までは繋がっていません。
貨物線の高架を潜ると、品川駅港南口のビルが近づいてきます。この道を右折すると、いよいよ泉岳寺へと抜けるトンネルがあります。
トンネルの芝浦側入り口へ
工業地帯と思いきや、港区立高浜公園という小さな公園がありました。左に見えているのが東海道新幹線の高架です。
この公園の脇から、トンネルが始まります。え?思っていたよりも更に天井が低い!
泉岳寺方面から来た車はここで右に急カーブしてトンネルを出て行きます。
(車道は泉岳寺から港南への一通です)
トンネルを見ていると、一人、慣れたようにおじさんが屈んで歩いて行きました。平均的な身長の私でも、普通に歩くと頭をぶつけるので少し屈まないといけません。180センチ以上ある友人はかなり屈んで歩いていました。
オレンジ色のライトが延々と続きます。暗くジメッとして怖い雰囲気かと思いきや、なんだかロマンチックなノスタルジー漂う雰囲気さえあります。どこか違う世界へ迷い込んだようです。東京にこんなところが。
これはもう普通のトンネルではありません。入る前からアトラクションに乗るようなスリルがあります。
港区とJR東日本による注意書きがあります。「ガードに衝突したのを見た方はご連絡下さい」とあります。実際にいつそうなっても不思議ではない天井の低さです。
時間帯によっては混雑するようです。
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屈んで歩くトンネル。芝浦から泉岳寺駅方面へ。
トンネルを歩いて行きます。
この辺りの更に下を横須賀線が通っているようです。天井が低いとはいえ、下を掘り下げるということもできないのかもしれません。
品川駅長管轄のようです。男性が一人入っていったので、事務所か何かがあるのでしょうか。
ポイ捨て禁止。NO LITTER!(なぜかこの看板だけ英語です)
いよいよトンネルの終わりの光が見えて来ました。
タクシーは猛スピードで芝浦の方へと走り抜けて行きます。
もうすぐトンネルも終わりです。泉岳寺方面は、芝浦側ほどに天井が低くありません。
しかし完全なトンネルである芝浦側と違って、鉄道の高架がいくつも掛かっているような造りなので、列車の通過音がド迫力で迫って来ます。
カシャンカシャン、、と遠くから音が聞こえて来て「わ〜来たな」と思うとすぐに爆音で列車が通過します。鉄の粉とか埃とか色々なものが落ちて来そうです。笑
あと一つ橋をくぐれば泉岳寺です。
住所が高輪になりました!泉岳寺はお寺の名前で、実際の地名は高輪(たかなわ)になります。
歩いて来た道を振り返ります。
バイクや車が続々と芝浦方面へ抜けて行きます。このバイクの高さから天井の低さが多少お分かりいただけるでしょうか。
高輪ゲートウェイ駅誕生により消滅すると言われる高輪橋架道橋
品川方面が見えます。少し先に高輪ゲートウェイ駅も建設中です。高輪ゲートウェイ駅は泉岳寺にあるという認識でしたが、実際はだいぶ品川駅寄りにあることが分かります。
この「おばけトンネル」「昭和の遺構」などと言われたらしい高輪橋架道橋ですが、新駅による開発に従い閉鎖されるのではと言われています。
「高輪橋架道橋」の泉岳寺側の入り口。トンネルはひっそりとあります。奥が「高輪ゲートウェイ駅」の建設現場です。
すぐに第一京浜に出て、急に東京の現実に戻ったような感じです。京急線・都営浅草線の泉岳寺駅はこの地下にあります。
泉岳寺駅の北側は泉岳寺を中心に、港区高輪・港区三田といった地区の丘になっています。
ビジネス・工業的なイメージのある南側と打って変わって起伏のある土地に寺院が点在し、風情のあるエリアです。次は泉岳寺の寺院巡りへと続きます。

高輪橋架道橋へのアクセス
京急・都営地下鉄 泉岳寺駅から徒歩1分
トンネルの高さが150CMなので、ご通行の際はご注意下さい。