新たに開通した新宿駅の東西自由通路です。
長年の念願だった新宿駅東西自由通路がついに完成【新宿駅】
※ 開業後に写真を追加・更新しました。
2020年 7月19日、新宿駅の東西自由通路が完成しました。
新宿駅は日本一の乗降客数がいるターミナルでありながら、東口と西口がそれぞれJRの改札で塞がれ、東西を通り抜けることができませんでした。
新しい東西自由通路が完成し、遂に昭和の時代から続いてきたその不便さが解消されました。
小田急百貨店建て替えについて以下をご覧ください。

新宿で進行中の5つの再開発について動画にまとめました。
JR新宿駅構内図の変化
東西自由通路の開通前と開通後の駅構内図の変化です。東口(図上)と西口(図下)の間をJR線を使用しなくても自由に通行できるようになりました。
ピンクの部分が改札内(切符などが必要)の扱いエリアで、クリーム色の部分が改札外です。
上が開通前で、下が開通後
※小田急線と京王線の利用者はJR改札内を通り抜けて東口へ行くことができていましたが、この特例は東西自由通路の開通と共に廃止されています。
新しく完成した東西自由通路・開通前と開通後の様子
新宿駅東西自由通路の開通前と開通後の比較です。
開通前
開通前の西口改札です。自動改札機を入ると、すぐ左手に13〜16番線への階段がありました。
開通前の様子です。写真にある改札、窓口、ホームへの階段等は全て撤去・閉鎖されました。
開通後
東西自由通路が完成後、長年見慣れたJR線の改札が撤去されました。
東口へと改札を通らずに通行できるようになりました。改札手前の頭上にあった発車案内板はそのまま残っています。
中央の黒いマットが自動改札機の置いてあった場所です。奥の窓口も白いカバーで覆われています。
また、奥にある13〜16番線のホームへの階段も閉鎖されました。
新しい改札は自由通路に面して、西改札、東改札が新たに完成しました。
開通後、常に賑わっていたみどりの窓口のカウンターは閉鎖、移転しました。
新しいみどりの窓口は、東西自由通路の中央に完成しました。
東西に抜ける通路がなかった新宿駅
国鉄時代から、JR線の改札が東西を塞いでいて、買い物客などが伊勢丹やビックロ、歌舞伎町などがある新宿駅東口から、小田急や京王、西新宿の高層ビル群などがある新宿駅西口へと抜けるルートは限られていました。
JR線を利用せずに東西に抜けるには、上の図にあるように新宿駅北側の「メトロプロムナード」か、新宿駅南側の「甲州街道」へ回る必要がありました。
これまで存在した新宿駅の東西ルートとは
東西ルートの欠如は非常に不便であったのですが、同時に新宿駅の独特の混沌とした雰囲気を作り上げていた一因でもあります。
これまではどのようなルートがあったのでしょうか。
メトロプロムナード
現在、東口から西口へ抜ける最も主要なルートは丸の内線の新宿駅から新宿三丁目駅へと繋がるメトロプロムナードで、西口の小田急ハルクのあたりから、アルタ方面へと抜けることができます。
JR駅のホームの北端よりも北側にあるため、京王線や小田急線からの場合、少し遠回りとなります。また段差があり、少し遠く感じるのも事実です。アクセスが複雑で、初めての方などには非常にわかりにくい構造であると感じます。
思い出横丁脇の細い歩行者通路
メトロプロムナードへはスムーズにエスカレーターなどでアクセスできないため、地上にいる場合や、駅が閉鎖した深夜に駅の反対側へいきたい場合は、思い出横丁の脇を通る細い小さな通路も利用されています。
とても細く、歩いていたら一刻も早く抜け出したく感じるような通路です。(私だけでしょうか)
南口前にある甲州街道
最後が、甲州街道ルートです。新宿駅の北端にあるメトロプロムナードをすぎると、次に東口に抜けることができるのは南口の甲州街道です。
営業時間中は、甲州街道に面したルミネ2の中を通り抜ける人も多くいらっしゃいます。
既に慣れてしまっていて、これが新宿と言わればそれまでですが、利用客数の多い巨大なターミナルとしては少々不便でもあります。
理想はJR池袋駅?
余談ですが、対照的に綺麗に3つの自由通路が東西を結んでいるのが池袋駅です。
JR池袋駅構内に3箇所の東西自由通路があり、JR線を利用しなくても、図上の西口(東武側)と図下の東口(西武側)を行き来することができます。
ついに完成する東西自由通路

JR資料より。上記の図と逆となり、右が大久保方面、左が代々木方面です。
新しい東西自由通路は新宿駅の中では北寄りに位置しています。
7月19日以降はJR改札内を通れなくなるので、京王線や小田急線のホームから東口への移動は、これまでよりも少し遠回りになります。
しかし新宿駅の東口は伊勢丹のある「新宿通り」に行く人の流れと、「歌舞伎町・西武新宿駅」の方へと抜ける人の流れと、いずれも北東への人の流れが圧倒的に大きい印象です。
東口は北側への人の流れが多いのを考えると、適切な位置とも言えます。
開業前の張り紙
東西自由通路の開通前後の比較
新しい東西自由通路が完成すると同時に、昭和の時代から長年見慣れてきた西口改札の光景は姿を消しました。
常に賑わっていた西口改札。改札で人混みに消えていく恋人や両親などを見送る姿などが見られた場所で、なくなってしまうのは少し寂しい気持ちもありました。
現在は閉鎖された15、16番線ホームへの最も北寄り(池袋より)の階段です。
常に非常に混雑していましたが、こちらの階段はバリアフリー化されておらず、お年寄りなどには厳しい環境でした。
JR新宿駅の最も北寄りにあった13番線(総武線各停千葉方面)14番線(山手線内回り)と、、15番線(山手線外回り)16番線(総武線各停三鷹方面)のホームへの階段は閉鎖されました。
外部リンク:JR東日本 新宿駅東西自由通路の供用開始
新宿大再開発の始まり
これは東京都の公式チャンネルにある、昭和42年の新宿副都心の動画です。
昭和の大改造からは都庁ができたことなどを除いて変化が少なかった新宿ですが、この東西通路の開通を皮切りに、2040年までに20年間をかける新宿の大規模な再開発が始まります。
新宿区の提唱する新宿御苑から新宿中央公園まで大規模な人の流れを作る『新宿グランドターミナル』プロジェクトです。
渋谷や港区界隈、東京駅周辺などといった地域に比べて「昭和の風景」が残り、再開発や「お洒落度」で遅れをとっていた新宿ですが、日本一の乗降客数を持つターミナルと、老若男女、人種から職業、性的指向まで多様な人の集まる東京の中心地です。
2040年を目指した再開発に注目が集まります。

新宿駅西口のメトロ食堂街が閉鎖
新宿駅は西口で小田急や東京メトロ、ヨドバシカメラ等による大規模再開発が予定されています。
先陣を切って、2020年9月30日には、JR新宿駅西口と丸の内線の改札の間にある『メトロ食堂街』が閉鎖されました。身近な昭和の名残がまた一つ消えていきました。
これは2022年度から小田急百貨店が建て直しに入るためで、2029年度に完成予想とのことです。東京は震災などの恐れもありますので、再開発により安全性と清潔感が改善されそうです。
筆者の個人的な印象では、メトロ食堂街の閉鎖は、年配の方が多かった上野松坂屋の別館閉鎖に似た寂しさを感じます。駅の隙間にゴチョゴチョとあるメトロ食堂街は駅からエレベーターなどに乗らずに簡単に寄ることができ、沿線の少し余裕のある年配の方々で賑わっていた印象があるからです。新宿はサラリーマンやお年寄りなども多いため、様々な乗降客が安心していられる場所ができればと思います。
尚、7月16日には新宿中央公園にスターバックス コーヒーなど、新たなスポットが誕生します。新宿中央公園は今後も西新宿のビル群を見渡す展望デッキの設置など、大改造が行われます。

同じ西新宿三丁目では、巨大なツインタワーのタワーマンションが計画されています。初台にかけての古い住宅地が一変します。
