【渋谷駅大改造】代官山へ続く東横線跡地レポ。休日でも静かでのんびり

【2019年現在】渋谷から代官山の東横線跡地はどうなったのか。

平成最後の更新になります。東京の街は平成の時代に、大きく変わってきました。日本の急成長が終わり、あっという間に中国にGDPを抜かされた時代であり、震災も多い時代でした。

一時期の東京は元気が無くなって日本の未来は大丈夫かな?と閉塞感を感じる時もありましたが、今は外国人観光客が増えて街は様変わりしています。来年に控えたオリンピックは一つの目処となり、大きなプロジェクトが2020年を前に次々と完成してきています。

大きな開発の続く東京で、最も昭和・平成の時代に別れを告げて変わろうとしているのが渋谷です。

渋谷駅の大改造、パルコ、宮下公園など、新しいプロジェクトが目白押しです。その先陣を切ったのが、東横線の終着ターミナルの大胆な撤去・移設でした。

東横線の渋谷駅が地下化されてから久しいですが、その後東横線の高架は撤去され、徐々に跡地の整備が行われてきました。現在の様子を見学してきました。

建設中の銀座線渋谷駅ホームです。背後の巨大な建物は2019年11月に開業予定の渋谷スクランブルスクエア、東横線の渋谷駅のホーム跡地にできたビルです。

左背後に今年開業した渋谷ストリームも東横線の線路の跡地を活用して作られています。

東横線の線路のあった南側に回ってみます。

渋谷ストリームと渋谷川

右奥が渋谷スクランブルスクエア、左手前が渋谷ストリームです。このエリアは246と首都高により渋谷駅から分断されていますが、新たな歩道橋と地下道が渋谷ストリームまで整備されたので、とても快適で安全になりました。バリアフリーになっています。

渋谷川は渋谷ストリームの前で、地下から出てきます。渋谷ストリームは低層階がレストラン街、オフィスは全館がグーグル日本法人になっています。

渋谷川の上流はかつては新宿御苑で、代々木八幡の方から流れる宇田川(地名は現在もあり)と合流してこの部分を流れていたそうですが、その多くは昭和の時代に臭いし邪魔だしで蓋をされてしまい、今は渋谷川とは分離して下水道として重要な役割を果たしているそうです。

その下水道は新しくできる高輪ゲートウェイ駅の港南側にある、芝浦処理場(水再生センター)まで地下を通って運ばれています。

山手線との交差部分までは、東横線の柱が残っている

左上の柱に31と描かれていますが、これは渋谷駅から数えて東横線の31番目の柱だったということだそうです。東横線の高架橋があったことをモニュメントとして残しています。

東横線の高架跡地は椅子も整備され、人に優しい快適な空間になっています。大きな通りにも面していないので、静かで過ごしやすいです。

八幡橋付近。この渋谷川の右側を、東横線は代官山へ向かって走っていました。

高架橋をそのまま残した訳ではありませんが、まるでニューヨークのハイラインのようです。跡地を公園にするというのは素晴らしいですね。

「当時」と言うにはつい最近なのですが、東横線が走っていた頃の光景が柱に残されています。

これを見ると、この辺りは東横線の地下化で随分と明るく静かになったようです。

八幡橋の交差点から西側を見ると、JR渋谷駅の「新南口」が見えています。ここはまだ山手線の内側であることが分かります。

JR渋谷駅の新南口は埼京線のホームに隣接した出口ですが、2020年に予定されている埼京線のホーム移設により、閉鎖されるというニュースが2015年頃に流れています。

東側はすぐに明治通りが併走しています。

植栽がとても綺麗です。四季を感じることができていいですね。

振り返ると渋谷駅のビルが未だに迫ってきています。

更に代官山の方へと歩いていきます。東横線はすぐに山手線を越えず、しばらくは恵比寿方面に向かって山手線の内側(都心側)を併走して南下します。

この辺りで、現在の地下の東横線も明治通りから合流してきています。

水が綺麗なのでしょうか。渋谷川には鴨がいました。

ついに柱の番号も58番になりました。この先でいよいよ代官山方面へ向けてカーブを始めます。

60番の柱で、遊歩道が一旦途切れました。新並木橋の交差点に回りますが、回ると言っても10メートルほどです。

奥に見えるのは明治通りの並木橋交差点です。

渋谷ブリッジ

道を渡ると、引き続き遊歩道が続いています。

奥に見える渋谷ブリッジで、公園らしきスペースは終了します。

ここの地下では、現在の東横線の線路が地下深い渋谷駅から丘の上にある代官山駅に向けて急ピッチで上昇をしているはずです。

ここから渋谷ブリッジの建物が始まります。右側に見えるのは渋谷清掃工場です。

白いタイルを使った、とてもアメリカンな印象の建物です。

ニューヨークのチェルシーマーケットを彷彿とさせる大きな時計。

中は主にオフィスやブティックホテルとなっているようです。

渋谷ブリッジの柱には往時の東横線の情景が描かれています。

並木橋から見た光景でしょうか。随分と細い男性と、大きめな女性が。両方とも女性とも、両方とも男性とも見えますけども。

代官山駅まで徒歩10分とあります。途中、渋谷ブリッジはここで途切れて更に続きます。

ここから東横線は急カーブして山手線を跨いでいました。現在では下を潜り抜けているということになります。この部分は、マスタードホテルというホテルになっています。

地図上で見ると、ちょうど東横線がカーブしている位置にあることが分かります。

ここは遊歩道にはなっておらず、一旦普通の道に出されてしまいます。

レストランなど、宿泊者以外にも利用できるようです。静かで良さそうです。

この「マスタードホテル」というホテルはビジネスホテル程度の部屋の大きさで、1万円以下の値段で出されているようです。どの駅からも少し歩きますが、時間に余裕のある東京旅行などではお洒落で良いのではないでしょうか。一部の部屋はバスルームが共用だそうです。

ホテルに併設されたギャラリー。反対側にあまりお洒落じゃない景色が映り込んでいますが、こちらは都営バスの渋谷車庫があります。

ドーン!

ホテルの端で、渋谷ストリームから続いてきた遊歩道や再開発は一旦終わっています。回遊性がないのは残念ですが、JRの線路を超えるとなると、なかなか工事が大変なのだと思われます。

そもそもの東横線の高架橋をここだけ壊さなくても良かったのではと思いますが、老朽化などでコストに見合わないのかもしれません。

振り返ると、マスタードホテルと渋谷ブリッジの建物が渋谷清掃工場をぐるっと囲むように建っています。それにしても渋谷清掃工場の煙突は大きな煙突です。

渋谷ブリッジから代官山へ

山手線や埼京線の線路を越えます。右側に先ほどの渋谷ブリッジの黒い建物が見えています。左側の代官山方面へと進みます。

山手線の線路を外側(西側)に出ると、すぐに「ログロード代官山」という線路跡に建てられたショッピング施設が始まります。

全部で5つの建物からなり、綺麗な遊歩道で繋がっています。Fred Segal (フレッドシガール)のお店が2番、3番、4番に入っていたのですが、2019年1月に全て撤退しています。ある意味「フレッドシガール=ログロード代官山」だったのですが、同じお店を入れてしまうと、撤退した時の影響も大きいですね。

1番と5番のカフェは賑わっているようでした。体験やインスタ映えが流行る時代ですから、カフェやレストランの方が賑わいを出しやすいのかもしれません。

振り返ると、先ほどの渋谷ブリッジが遠くに見えています。東横線の線路の一部は駐車場になっているようです。しつこいですが、高架橋が残っていてここから渋谷ブリッジが歩道橋で結ばれていたら、渋谷と代官山の回遊性は格段に上がったかと思われます。

この辺りは代官山の中で賑わいのあるTサイトの方角とは少しずれた方角になります。東急の新しいプロジェクトとして話題を集めたので、新しい人の流れができてはいると思うのですが、渋谷への回遊性がなく行き止まりなのが難点です。

正確には私が歩いてきたように歩道橋を渡ることができますが、少し現実に引き戻されたような、古びた歩道橋と信号待ちと、、があります。

とはいえ、やはり代官山の丘はお洒落です。渋谷の反対側の原宿や表参道から、ずっと歩いていてもブティックやカフェなどが続くのは渋谷の強みです。

池袋で隣駅の大塚から目白まで歩く人はよほどの物好きでない限りなかなかいません。

代官山方面を見ると、右のグレーのタワーマンションが代官山アドレス、奥の白と肌色のタワーマンションは中目黒駅前です。

Fred Segalは閉店していますが、綺麗な散歩道が線路跡に続いています。

本当に植栽が綺麗で、まるでLAにいるようです。

そしてログロード代官山の1番目にあるブルワリーに出ました。外国のような雰囲気で賑わっています。正面に見える壁の向こうが代官山駅になっています。

ログロードの下を通ってきた東横線の線路は、ここで地上に出ます。

代官山駅の上から見た様子です。ログロードの下からトンネルに入り、地下深い渋谷駅へと急降下していきます。

代官山駅のホームは非常に幅が狭くなっています。以前はのんびりとした東横線のターミナルから1つ目の駅でしたが、今は明治神宮前や新宿三丁目までも乗り換えなしで行くことができる駅となりました。

これを一晩で地上から地下へと切り替えたのですから、人類はこんな工事ができるのかと驚きますね。

というわけで、渋谷駅からの東横線の線路撤去後の遊歩道を歩いてみました。緑が多く、四季を感じることができる憩いの場になっていました。あちらこちらにベンチが置いてあるのも好印象で、途中で歩き疲れた時にも座ることができます。一度ゆっくりと散歩をされてみてはいかがでしょうか。