火災発生の朝 西新宿
先週、西新宿の住宅地で火事がありました。西新宿五丁目駅の近くで、オフィスやマンションの間に、古い木造の家が密集した地域です。
私はたまたま近くにいたので火災の現場を目の当たりにし、撮影した動画は当日の夕方のニュースで流れていました。
火災の発生から消防活動、そして早速始まる現場検証や駆けつけるメディアなど、初めて目撃する火災の様子の一部始終を見ていました。不幸中の幸いで人的な被害がなかった為、今回は東京での火災と木密地域の危険性について書きたいと思います。
消防隊員の大活躍で鎮火。もし来なかったら。
あっという間に火に包まれる過程を目の当たりにし、古い木造住宅が密集する地域の危険性を改めて感じました。
また、同時に重要性を感じたのが消防車が来るスピードです。もしも消防車がすぐに来れなかったり、北風の強い日であれば被害が拡大していた可能性があります。
今回のような火災が多く発生すると、消防車が全て現場の消火に来ることはできません。また、倒れた電柱や渋滞で道路が塞がれていたら、尚更現場に急行するのは難しくなります。
今回の火の勢いを見ると、あっという間に火が回りそうです。そして隣家と密集した地域であれば、かなりの拡大が予想されます。とにかく大事なのは火事を起こさないことになります。
そして東京は電線の地中化など、対策するべきことが多々あります。そして災害に関しては、東京の最も弱点とされているのが、木密地域を多く抱えていることです。
木密地域とは?火災による甚大な被害が想定される
東京の木造の一軒家が密集した地域を木密(もくみつ)地域と言います。
先日NHKの番組でも話題になりましたが、東京は木密地域と呼ばれる古い木造住宅が密集した地域が多くなっています。震災といえば下町を思い浮かべますが、木密地域は中野区や杉並区、世田谷区といった山手線の外側を囲むように広がっています。
西新宿も木密地域が多く、広範囲ではなくマンションやビルの間に点在している状況です。
木密地域で何が起こるか
冬の北風の強い日、特に朝食や夕食の準備で火を使っている時間帯の場合、木密地域で多数の火災が予想されています。とはいえ、あまりに多くの現場で火災が起きているので、当然消防車も人員も足りません。
そのうちに火災が幾つも繋がり、火災が巨大になると爆風が起き、巨大な火の渦と火柱となります。恐ろしいのは、その火の渦が移動して、やがて山手通りや環八といった大通りを避難中の車や人々にも迫っていくことです。
東京が抱える木密地域の改善へ
木密地域の解消には古い一戸建ての建て替え、道路の拡大、広い公園の整備、電線の地中化といった都市整備が急務ですが、莫大なコストからなかなか進んでいない状況です。
東京都では「木密地域不燃化10年プロジェクト」として、これらの計画を進めています。
木密地域は山手通りと環八の間に多く広がっており、いわゆる23区の都心を除く広範囲が該当します。木密地域は「古民家カフェ」のように懐かしい雰囲気もありますが、火災となるとそうも言ってられません。
マンションであっても、木密地域を通らないと大通りに出れない、木密地域に隣接しているなどの場合は、建物内にいるから安全とはいえなさそうです。
再開発には賛否両論ありますが、安全第一を考えた場合は、やむを得ないのかもしれません。人がいてこその街であり、命が無ければ街の存在そのものが無意味なものになってしまいます。
木密地域については、NHKがよく扱っています。
参照:内閣府首都直下地震の被害想定 対策のポイント(PDF)