練馬区にある遊園地「としまえん」の閉園が決まりました。
2020年8月31日を持って閉園し、東京都の防災拠点となる公園と「ハリーポッターのテーマパークにする方向でアメリカのWarner Bros.と調整を進める」という情報も流れています。
閉園する「としまえん」はどのような遊園地だったのでしょうか。
「としまえん」が閉園へ
としまえんは1926年(大正15年)開業、プールは1929年(昭和4年)開業の、東京の西部、練馬区向山3丁目にある大規模な遊園地です。
西武グループの子会社が100%運営しています。西武鉄道はとしまえんの他にも埼玉県所沢市に西武遊園地を所有しています。
最寄り駅には西武豊島園線の「豊島園駅」と都営大江戸線の「豊島園駅」の2つの駅あり、都心からの利便性も良い場所です。
としまえんの大きさはディズニーの5分の1で 22ヘクタール
としまえんは大規模なテーマパークと比べると小さな敷地面積ですが、都心から近い東京23区内の住宅街としては非常に大きな面積を所有しています。
としまえんの入場者数
※入場者数は正確な情報が見つからず、目安としてご理解ください。
入場者数は東京ディズニーランドディズニーシーが合わせて3,255万人であるのに対し、としまえんは112万人と出ています。(ユニバーサルスタジオジャパンは非公表)
としまえんは昭和の雰囲気の残るほのぼのとした遊園地としてファンも多いようですが、少子化の今後を考えると、現状のままでの入場者数の大きな伸びは期待できません。
他にマイナス要素が幾つか考えられます。
ただし、別のテーマへの変更や用途変更で、西武グループの大きなチャンスとなる可能性もあります。
池袋駅からも新宿駅からも20分以内でアクセスでき、まとまった土地が確保されているからです。
としまえんの立地のポテンシャル
現時点では東京都が管理する公園と、ハリーポッターのテーマパークになると伝えられていますが、今後の詳細の行方が注目されます。
閉園間近・豊島園レポート
8月になり、閉園する前にと「としまえん」を見学して参りました。
西武豊島園線の「豊島園駅」は1927年(昭和2年)にオープンと非常に歴史のある駅です。
1991年には都営大江戸線が光が丘と練馬駅の間で運転を始め、「豊島園駅」が開業しています。(*尚、大江戸線が新宿まで到達したのは1997年、全線が開業したのは2000年です。)
駅を出ると、すぐ目の前にワクワクするようなデザインの遊園地の入り口があります。
アメリカ東部に古くからあるテーマパークのような印象です。実際に園内のあちらこちらで、古き良きアメリカのテーマパークという雰囲気を感じました。
背後に見えているのは、豊島園プールのスライダー『ハイドロポリス』です。入り口のすぐ近くにありますが、実際のプールの入り口は遊園地内の離れた場所にあります。
としまえん名物のメリーゴーランド『カルーセルエルドラド』です。1907年(明治40年)にドイツで作られ、100年以上の歴史があることから日本の「機械遺産」に認定されています。
1971年に豊島園に移設されるまでは、アメリカ・ニューヨークのコニーアイランドに当時あった遊園地”Steeplechase Park”( にあったそうです。
当時アメリカで乗ったことがある人からすれば、東京にこのような歴史あるメリーゴーランドが残っていることは涙が出るほど嬉しいものかもしれません。
暑い夏の日の夕暮れの中、冷たいアイスや飲み物を求める人々で賑わっていました。
とても楽しい光景です。
プールへの入り口です。閉園で話題になっていることや、夕方6時からはプールの安いチケットが出ることもあり、多くの人が入って行きます。
プールの入り口は大きなドームになっていて、ショップやロッカールームがあります。
現在は公営のプールも綺麗になり、ロッカーは無料のところが多いですが、豊島園ではロッカーも大きさによって料金が変わって行きます。部分部分でお金がかかっていくので、家族連れには結構な金額になっていってしまいますね。
実は私は少し苦い思い出があります。子供の頃に家族みんなで豊島園に行く予定が、支度にモタモタしていたら父親が行かないと言い出して、結局母と姉と三人で来たという思い出です。
母はイトーヨーカドーで姉に買ってきた綺麗なビーズの飾られたバッグを持たせたのですが、姉が豊島園のどこかのテーブルに置いてきて無くしてしまい、母は酷く怒ったそうです。せっかくの楽しい遊園地であんなに怒ってしまい、「お父さんが来ていれば目が届いたのに」と30年近く経った今でも思い出しては恨んでいます。
そんな切ないような楽しいような思い出が、どこのご家庭にもあるのではないでしょうか。
そして2020年。無数の家族やカップルたちの思い出と共に、昭和から続いた豊島園は閉園します。