東武東上線の池袋駅から5駅のところにあるのが、ときわ台駅です。
鉄道と共に住宅街の開発をすることでは東急電鉄が有名ですが、東武鉄道が古くから開発をしたのがときわ台駅の北口の常盤台住宅地です。
東上線から高級住宅地イメージすることは少ないと思いますが、この常盤台住宅地は敷地が広く、都内北部では希少な高級住宅地と言える街並みが広がっています。
一方でときわ台駅の南口は飲み屋街などが広がっており、2つの違う顔をもつ街でありました。
ときわ台駅(旧武蔵常磐駅)
ときわ台駅は東武東上線の池袋駅から各駅停車で5駅、板橋区内にある駅です。
東武東上線といえば、池袋を出ると全ての速達列車は都内の8駅を一気に飛ばして埼玉県境の手前の成増駅まで停まりません。
この「ときわ台駅」も各駅停車のみが走る区間にありますが、乗降客数は4万人を超え(2019年度)東武東上線の都内の各駅停車のみが停車する8駅では、東武練馬、大山、上板橋に次いで4番目に多くなっています。
昭和10年の開業当時から残るレトロな駅舎です。近年東武鉄道が大規模なリニューアルをし、開業当時に近い姿のまま利用されるようになりました。
大谷石と青い瓦を利用したレトロな駅舎に再整備されています。
駅の隣には成城石井の入る「エキアときわ台」があります。
「エキア」は東武鉄道が展開する駅ナカブランドで、東上線では他に成増、和光市、朝霞、川越など乗降客数の多い駅に展開しています。
駅名のプレートがオシャレです。
同じ東武沿線の栃木県で産出される大谷石がとても良い印象です。
ときわ台駅 北口のロータリーの様子です
以前の駅名「武蔵常磐駅」にちなんだ展示コーナーがあります。
東武鉄道による常盤台住宅地の販売開始当時の資料が展示されています。
区画は現在もほぼ同じ形で残っています。環状になっている道路を中心に、一軒家が並んでいます。
この環状通りが右上で途切れているのが気になっていましたが、当初からのようです。
駅を離れて常盤台住宅へと入っていきます。
常盤台住宅の街並み
道の中間に街路樹のある道が、ときわ台駅の北側をほぼ一周する環状の道路です。
池袋駅からほど近い板橋区とは思えない閑静な住宅地が広がっています。
山手線の外側の住宅地は非常に密集した住宅地が多いのですが、常盤台では広々とした道路に加え、道路と建物に距離があり、明るい空間が目立ちます。
開拓当初から残る建築物は、板橋区の文化財に指定されています。
一部の区画は小分けされてしまったり、アパートになっています。
しばらく進むと東武鉄道が開発した区画を抜け、急に普通の板橋区の街に出ました。この通りは板橋区を南北に結び、沿道には天然温泉で有名な「さやの湯」があります。
ときわ台駅に近い住宅街に戻ります。
これは常盤台住宅地の特徴であるクルドサック(フランス語で袋小路)です。単なる行き止まりではなく、ぐるっと一周できるようになっています。
余談ですが、こちらのクルドサックはゴミ置き場になっているので景観も何もあったものではありませんでした。
クルドサックは車が通れないものの、防災上の理由で人や自転車が小径で抜けることができるようになっているのが必須条件のようで、常盤台のクルドサックも同じように小径がありました。
木造の大きなお屋敷も残っており、開発当初はこのような住宅が多かったものと思われます。
何やら病院もレトロで、昭和にタイムスリップしたような印象を受けました。
ときわ台駅南口
ときわ台駅の踏切から池袋方向を見ると、すぐに中板橋駅が見えています。
※このときわ台駅の踏切はテレビドラマにもなった宮本警部の殉職の舞台となってしまった場所です。踏切の写真は控えることにしました。
一駅池袋寄りの「中板橋駅」との間には環状7号線と石神井川があり街が分断されていますが、駅の距離は700メートルしか離れていません。
ときわ台駅の南口です。「ときわ台駅南口サンライトマンション」というマンションと、小さな店舗が併設された駅ビルになっています。
駅を出たところの光景です。昔ながらの洋品店と酒屋さんがあります。
南口から少し歩くと、飲み屋が並んでいます。
奥に見えるのは駅上のサンライトマンションです。
南口周辺の道路はアスファルトではなくブロックになっていて良い印象です。
静かな住宅地が広がる北口とは異なり、細い路地にお店が連なっています。
駅から1分ほど進むと、鬱蒼とした山のような光景に出ます。駅のすぐ近くにある天祖神社です。「ときわ」の名前の由来にもなった神社で、常磐松が境内や参道に植わっていたそうです。
街の中にひっそりと、ずっしりと存在感のある神社でした。
境内から見た外の街並み。神社のある街というのは良いですね。
ときわ台駅の住環境
久しぶりに街訪問を再開しました。現在の状況からあまり人が街に出て来なくなってしまいましたが、やはり人が作り上げてきた街の賑わいというのは良いものだと感じました。
ときわ台駅周辺は決してまちづくりを重視してきたとは言えない東武鉄道では珍しい高級分譲地で、おまけに23区内という稀有な土地です。静かな住宅地が広がる北口とは反面、南口は神社や飲み屋街など下町のような雰囲気もあり、住み心地の良さそうな場所でした。
池袋駅から5駅ということで、都心には出やすい環境です。鉄道は東武東上線のみとなり、代替ルートとしては国際興業バスで王子駅や赤羽駅などに出ることができます。
ときわ台駅の不動産情報
近隣で近日中に販売予定の新築マンションはありません。
その他の山手線から5駅の駅
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