新宿駅南口や代々木を歩いていると見える巨大な赤茶色の建造物『ニューステイトメナー』
昭和の時代から代々木では存在感を表していますが、現在のニューステイトメナーは一体どのような物件なのでしょうか。
代々木にある巨大建造物ニューステイトメナーとは
ニューステイトメナーは、1976年に完成したマンションです。住所は渋谷区代々木ですが新宿駅南口から近い立地もあり、現在は大半の部屋がオフィスとして使用されています。中小企業の東京オフィスやベンチャー、スクールなどが多くあり、800戸の部屋は常に満室に近い状態です。
建物の1階には長らくマイクロビオティックの食品店LIMAがありましたが閉店。2021年にイオンの小型スーパー『まいばすけっと新宿南店』に生まれ変わります。
準備中のまいばすけっと新宿駅南店。通り側と、建物内からの両方のアクセスが可能に。
新宿駅南口にほど近いニューステイトメナー
JR南新宿ビルから見たニューステイトメナー
新宿駅の南口からサザンテラスを進んで行くと、左手にスターバックスのサザンテラス店。右手にはJR東日本の本社ビルが見えて来ます。
そのJR東日本の本社の巨大な建造物を越えると、同じく右手に白亜の小田急サザンタワーが見えてきます。現在、テラスに面して米国のハンバーガーチェーンのシェイクシャックが入りました。上層部は小田急系のホテルセンチュリーサザンタワーです。
JR本社とサザンタワー2つのビルの間には、右手にずっと歩行者デッキが伸びていて、更に二つの高層ビル「マインズタワー」と「JR南新宿ビル」がニョキッと現れます。
そしてその間に姿を表すレンガ色の巨大な建物が、ニューステイトメナー (New State Manor)です。
現在ではあまり使わないレンガ色のビルで、一見、80年代あたりのアメリカのコンドミニアムを思い浮かべます。近所に行かれた方なら一度は目にしているのではないでしょうか。
新宿マインズタワーのスターバックスコーヒーから見たニューステイトメナー。
私は10年以上前の真冬、マインズタワーのスターバックスに行った際に道路の向かいのレンガ色の建物を見て、このアメリカのような建物は何だろうかと思っていた記憶があります。
最寄駅は新宿駅ですが、JR東日本の本社も含め、この辺りの住所は渋谷区代々木二丁目です。
JRの新宿駅からは徒歩7〜8分ありますが、このマインズタワーは都営大江戸線や都営新宿線の「新宿駅」と直結しています。都営地下鉄を利用する場合は出口からニューステイトメナーまでは徒歩1分、雨にも殆ど濡れずに到着できるという好立地です。
都営大江戸線・新宿線の駅は、京王線の本線のターミナルとも繋がっています。但し、この地下道ではマインズタワーからJR新宿駅へは通り抜けできません。
ニューステイトメナーの歴史
ニューステイトメナーは、1976年に完成したマンションです。この記事の作成年の2018年で既に築42年という大御所になります。総戸数は800以上あるとのことで、かなりの大規模なマンションになります。
当初はホテルにする計画だったとのことで、各部屋にはユニットバスがありますが、キッチンは小さく、また洗濯機置き場がありません。
ホテルからマンションに変更となった経緯は分かりませんが、エントランスや車寄せを見ると、結構な高級ホテルになり得たことが分かります。1階にはショッピングアーケードになったであろう、テナント部分もあり、そちらは現在も店舗やオフィスとして使用されています。
平均的な部屋が22平米ほどと狭いのでニューオータニーレベルではないかもしれませんが、赤坂プリンスホテルなど、ある程度のレベルのホテルが計画されていたのではと予想されます。バブル前の当時の日本では、決して狭い部屋ではなかったと思われます。
憶測にすぎませんが、当時は新宿駅の南口は開発がされておらず、ホテルとしては立地がいまいちだった可能性もあります。その時は大江戸線もありませんでした。現在ようにマンズタワーやJR南新宿ビルができて、土地の目の前まで駅から歩行者デッキで繋がったり、地下鉄の出口ができるなど、当時は想像がつかなかった可能性もあります。
現在のニューステイトメナー
マインズタワーから見たニューステイトメナー。背後の高層ビルは代ゼミタワーです。
築40年を越えたニューステートメナーですが、数年前に大改装を終えました。
建て替え計画もあったようですが、800戸以上をまとめるのは困難だったのでしょうか。修繕していく道を歩み始めたようです。
私は改装前も後も行ったことがあるのですが、以前は暗い蛍光灯と古びた壁紙で香港の古い雑居ビルのようなイメージだったのですが、今はホテルのようで見違えるようです。
個人的には7、80年代のアメリカのコンドミニアムようなレトロな高級感で、好きなタイプの建物です。
駅近でオフィスとしての需要が高い
建物は『マンション棟』とマインズタワーに面した『オフィス棟』があり、オフィス棟の一階にはセブンイレブンや、マイクロビオティックで有名なお店LIMAなどが入っています。
一方のマンション棟は内廊下に面して両側にズラッと部屋が並んでいます。ニューステイトメナーの大部分はマンション棟になりますが、現在はこちらも殆どがオフィスとして使われているようです。
何しろ新宿駅に近い好立地ですから、訪問者にとっても便利で、オフィス需要があるのは想像できます。小規模の会社やベンチャー企業であったり、地方の中小企業の東京事務所としても使われているようです。
平日のランチタイムなどはスーツを来た人がドッとニューステイトメナーから出てくる様子を見ても、今はほとんどが住居用としてではなく事務所として使用されていることが分かります。
以前話したことのある不動産屋さんはニューステイトメナーの一室にテーブルとチェアを置いて業務を始めたそうです。お客さんは流石に戸惑いますが、ここから羽ばたいて成長していく会社もあるようです。
一時期はいかがわしい用途に使われていた部屋もあると住んでいる知人や不動産屋さんに聞きましたが、現在は入れ替わって健全な会社のオフィスになっているようです。
その好立地から近年では民泊が問題になっていたようですが、現在は一掃されています。
小田急線の南新宿駅方向から見たニューステイトメナー
シティライフを送りたい方には住居としても
住居用としては、台所が狭く洗濯機置き場が無いことに留意する必要があります。1階にコインランドリーがあるので、不便ではありますが住宅としても洗濯に困るということは無いようです。ベランダが無いので、外に干すことはできません。
ニューステイトメナーの特徴は、その高い管理体制にあります。フロントには24時間事務や警備の方がいて、不在時には宅配の荷物も預かって下さるそうです。(つまり24時間受け取り可)
また、ゴミ捨ては部屋の各玄関のゴミ箱に入れておくと、管理の方が定期的に持って行ってくれるというサービスも。
何しろ好立地ですから、自炊をあまりせず外食が多い、洗濯を干すのが面倒、決まった時間のゴミ捨てが面倒、、という方には住居、または住居兼オフィスのSOHOとしても良いかもしれませんね。
※建物内に小型スーパーのまいばすけっと新宿駅南店がオープンします。オフィスとしても住居としても利便性が増しそうです。
お風呂はユニットバスが付いている部屋が多いようですが、目の前がジム(ジェクサー新宿)なので、そこで運動がてらお風呂に入ることもできそうです。
ニューステイトメナーを借りる・買うには
各不動産情報誌で空室が出ている時があります。
ニューステイトメナーは分譲賃貸のため、賃料やオフィスとして使用できるか、登記できるかなどは各物件によって異なります。各物件の詳細を確認されることをオススメします。
似たような物件に、東京ミッドタウンの近くの秀和赤坂レジデンシャルがあります。
ニューステイトメナーの概要
最寄駅:
都営地下鉄・京王新線 新宿駅 マインズタワー口
JR・小田急 新宿駅南口
代々木駅、南新宿駅
所在地:渋谷区代々木二丁目