外環道の西側延伸で便利になる街はどこか

外環道の西側延伸で便利になる街はどこか

外環道の延伸工事が行われています。現在は東名高速を降りてから関越道に乗るまでに環八を経由して1時間(渋滞どきは更に長く)かかっていますが、これを12分で結ぶというプロジェクトです。

首都高とは異なり制限速度が80キロ、片側3車線の大規模な高速道路となります。

外環道西側延伸とは?東名ー関越が12分、片側3車線のフル規格道路!

既に東名高速と関越道は圏央道で結ばれていますが、山間部を通るので双方の間(厚木から鶴ヶ島)は70キロ近くの距離があり、利用する区間によっては大変な遠回りとなります。また料金も高くなるので、利用するのが現実的でない区間があります。

そこで、現在関越道の大泉から東北道、更に千葉県の湾岸道までを結ぶ外環道の西端を延伸させるというものです。開通段階から片側3車線という計画で、その重要性、需要の大きさが伺えます。

外環道の延伸が期待されているのは、「関越道の特性」もあるかと思われます。関越は新潟や長野、更に北陸という物流や観光で高需要・大人気の目的地を結んでいるにも関わらず、ご存知の通り都内で首都高速と繋がっていません。

練馬区で接続している外環道を経由して首都高へ入ることはできますが、一番近い首都高5号線でも結構な遠回り、なおかつ渋滞のメッカという現状です。23区の南西部や東京の市部に住む方は、練馬インタで一般道に降りてから環八や環七、山手通りを南下するというルートが一般的になっています。

外環道の延伸により、こうした世田谷区や大田区といった都内から関越道への動きの速達化が期待されます。

更に途中にインターチェンジができることにより、23区西部や東京市部から東名高速や関越道へのアクセスが抜群に便利になります。では、どこの街が便利になるのでしょうか。

高速道路の空白地帯である東京西部

東京の西部は関越道を中央道の間が高速道路の空白地帯となっており、中央線や西武新宿線、池袋線といった膨大な人口が住むエリアでありながら、高速道路に乗るまでには時間がかかるエリアです。

理想としては首都高が中央線と西武新宿線の中間あたりを通っていれば良かったのですが、そのようなことは実現せず、延々と一般道が続く地域となっています。

外環道の延長部分の途中のインターの場所によっては、高速道路の空白地帯であった東京の西部が大変便利になります。

外環の延伸で利便性が増す街はどこでしょうか

まずは、外環がどこを通るかを南側から見て行きます。

都内から行くと首都高3号渋谷線が用賀PAを過ぎて東名高速に接続した少し先から、分岐します。

ここで、交差する野川の下へと潜って行きます。野川は、二子玉川の付近で多摩川と合流する川です。

余談ですがこの合流地点は2019年秋の台風で少し氾濫し、テレビでも連日放送されることになりました。

分岐地点は、住所で言いますと、世田谷区喜多見、世田谷区大蔵です。

外環道はこの地点から大深度(地下40メートル)で世田谷区内を北進し、成城学園前駅の西側へと向かいます。

この地域は鉄道の空白地帯とも言える地域となっており、近くにある東急田園都市線の二子玉川駅と小田急線の成城学園前駅の間は5キロ弱離れています。


外環道は成城学園前駅の西側の大深度を通ります。住所は世田谷区成城四丁目で、この辺りが東名との分岐から2.2キロ地点です。

2019年11月現在、東名高速から始まった掘削工事はこの成城4丁目付近を掘削中です。シールドマシンのガルルン君(北方向車線)とみどりんぐ君(南方向車線)が併走して北進中です。

尚、東名と中央道の間は外環道のインターチェンジは造成されません。世田谷区や調布市の住民の方の意向またはコストの理由かと思われます。

成城学園駅の西を北上した後、外環道は野川を東に逸れて京王線のつつじヶ丘駅の方角へ北進します。

調布市にあるつつじヶ丘駅と仙川駅の間を通り抜けます。とはいえ、この辺りで地下に高速道路が通っていることを体感することは無いかと思われます。(あったら大変ですが)

京王線を北へ抜けた後、外環道は大きく右へカーブを描いて三鷹市にある中央道との交差地点へ入って行きます。

中央道と外環道の交差部は、この白百合女子大の北の辺りになります。住所で言いますと、三鷹市北野三丁目付近です。中央道を都内から走ると、三鷹料金所のすぐ手前になります。

Googleのストリートビューで見てみると、既に大規模な工事が進んでいます。

東八道路とのインターチェンジで恩恵を受けるエリア

この圏央道と中央道のジャンクションに付随して、近くを走る東八道路にも圏央道及び中央道へのインターチェンジができます。東八道路インターチェンジは関越方面、東名方面の双方に行くことのできるインターチェンジになります。

これまでは中央道は調布インター、首都高は高井戸まで出る必要があったので、便利になります。特に便利になるのは仙川駅の北側、吉祥寺駅南部の一帯でしょうか。

ごちゃごちゃした狭い道や渋滞から逃れ、一気に片側3社線のフル規格道路へと抜けることができます。

外環道は更に北へと続きます。京王井の頭線の三鷹台駅と井の頭公園駅の間を大深度で通り抜けます。

そのまま吉祥寺駅と西荻窪駅の間を通り抜け、北上を続けます。

青梅街道インター

外環道は都立善福寺公園の右を北上し、西武新宿線の上石神井駅の真下を通り抜けて行きます。

その善福寺公園と上石神井駅の間を東西に通る青梅街道に、青梅街道インターチェンジができます。

外環道の延伸でできる3つの一般道へのインターチェンジのうち、中央道のジャンクションや関越道のジャンクションに併設される他2つのインターと異なり、こちらは完全に高速道路の気配も何もなかった場所にひょっこりとできるインターチェンジです。

場所は練馬区と杉並区の境界付近で、上石神井駅の南になります。

青梅街道インターは、関越道方面への出入り口として整備され、東名方面へは行き来ができないハーフインターチェンジとなります。

青梅インターのハーフインターとしての造成経緯は以下の国土交通省の文書に書かれています。

青梅インターチェンジについて(PDF)

簡単に言いますと、関越方面の利用者の方が多いこと、東名方面を設置すると杉並区側への影響が大きいこと、杉並区側の反対意見が多いことなどが理由のようです。

この中心部あたりに青梅街道インターチェンジができる予定でありますが、ご覧のようにこのエリアは高速道路の空白地帯でしたので、関越、東北、常磐道などへ出かける際は非常に便利になりそうです。

私事ですが、群馬県の友人はこれをきっかけに上石神井付近にマンションを購入していました。

都心方面や中央、東名方面に行くには開通後も一般道または高井戸から中央道などを利用する必要があります。

関越道との接続付近には目白通りインターチェンジ

青梅街道を抜けた後、外環道は都立石神井公園の西側を抜け、西武池袋線の大泉学園駅と石神井公園駅の間を通り抜けます。

その後は現在の外環道と大泉ジャンクションで接続しますが、そのジャンクション付近には目白通りインターが開通します。

開通で利便性が増す駅・地域

今回の外環道の開通で圧倒的に利便性が向上するのは上石神井駅、仙川駅、大泉学園ではないでしょうか。もちろん自動車は行動範囲が広いので、その駅から2〜5駅周辺までも利便性が増す地域となりそうです。

もちろん首都圏の西部全体で移動が便利になりますし、環八など既存の交通量が減少することによって環境が良くなるなど、間接的な住環境の改善も期待されます。

自動車を持たない場合も、高速道路の開通によって新たな空港バスなどの設定が考えられます。

尚、開通時期は未定です。現在東名高速からの工事は早く進んでいますので、東名から東八道路間が先に開通することもあるかもしれません。

外環道に関するリンク

東京リングステップ(国土交通省)

東京外環プロジェクト